CSはファイナル初戦、2戦目と両リーグともチャンピオンがリードしている。クライマックスの魅力は認めながらも、リーグ覇者が行ってほしい。タイガース対ホークスになるのは避けたいところだ。

さて今年のドラゴンズを振り返る前に平田選手の退団と向き合いたい。

2005年の高校生ドラフト1位、外野手という珍しい指名だった。当時のドラゴンズは制度の恩恵、相対的に資金が潤沢だったこともあり川上、福留、岩瀬と逆指名で超一流選手を揃え、毎年のように新外国人も獲り今ほどドラフトに命をかけていなかった印象、今となって思えば。

そんな状況で2001年に前田捕手を指名して以降、森岡、中川と、ことごとく高校生野手を一位指名したが大成せず。その流れを変えたのが平田、少なくとも私はそう思っている。高校生野手で言えば立浪以降で活躍したのは森野、荒木くらい。彼等が既に過去の選手であることを考えても平田はドラゴンズにとって大切な選手であることは言うまでもない。

最初に出てきたのは2007年。内野、捕手は固定され、唯一空いているといえば外野、しかも中村紀の加入で外野にコンバートになった森野や福留、意外性の李炳圭と奪える気配はなかった。それでも福留の怪我もあり安定した守備力から日本シリーズ前の数試合でレギュラー抜擢、そのままシリーズにも出て完全試合となったダルビッシュ戦で唯一の打点を上げる。この印象が強く彼が大きく貢献したように思えるが、実際は記憶が前後しており、以降目立った活躍はなく背番号8を剥奪される。

それでも彼一人がチームを背負う必要はなかった。福留メジャー移籍後も和田という丈夫で期待を裏切らないベテランが加入し世代交代はさらに先延ばしとなる。打線は二遊間で上位を組み、一塁、三塁、左翼がクリーンナップを担う。まさに理想的なオーダーでセンターとライトに求められるものは僅か、センターは守れる選手、ライトはお試しで李炳圭、野本とファン目線でも軽い気持ちで見ていた。

そのような環境下で藤井、大島の大卒社会人勢に遅れをとりながらも2011年の活躍。特に統一球と呼ばれる打低の環境下で二桁ホームランを放ち中軸を期待されることとなる。以降6年連続二桁ホームラン、連続サヨナラや月間MVP、代表選出、ベストナインと振り返ればチーム期待の選手だった。

それでも評価は低く年俸は渋かった。毎年オフに大島と共に揉めていた印象。当時チームは低迷、高年俸のベテランを抱えていたこともあり大島、平田の優先順位はFA取得後とチームは考えていた。そんな中2015年にベテラン勢が一気に引退、突如大島、平田がチームを引っ張る存在となる。2016年、全ポジションで世代交代が上手くいかないままチームは低迷し監督解任。そんな中で大島と平田がWでFA移籍をチラつかせたため、チームは最悪な状態となる。

結局平田は破格の5年契約、ただ2017年以降活躍したシーズンは2018年のみと大きく裏切ってしまう。ほとんどケガとの戦い。それでもファンが期待したのは2018年の活躍が忘れられないから。もう4年も経ったのに未だ期待している。バレンティンよりも良い働きをしたと今でも思う。

昨年病気となり、今年は引退覚悟でプレーすることに。前半戦の活躍から徐々に後半戦に進むにつれ活結果を残せず、マクガフの三振をキッカケにファンよりも早く球団は戦力外を決断。ファンも平田も心の準備が出来ないまま退団に追い込まれた。このタイミングで平田が引退を選べるはずもない。

そして一部ファンやOBから反感を買った記者会見が行われる。印象としては正直すぎるという感想、確かに日本人の持つ美学からは離れているかもしれないが、これくらい本音を言わせてあげてよとも思う。少なからずファンも違和感があるからこそ話題になった。

ただ私自身、100%味方になれないモヤモヤがある。2016年の残留を決めた自身のブログ記事を読み直してみた。




5年契約を勝ち取った平田のことを書いた記事。読み返せば今も昔も平田選手の印象は変わっていないとも思える。良くも悪くも若い気持ちを持ち続けていたのかな。昔ながらの人間には受け入れづらい存在ではあったのかもしれない。

色々書いたけど、、、やっぱり球団が譲歩すべきだったと思う。

流石に福留と同じ年に引退を進めるべき選手では無かっただろう。進めるにしても遅すぎだと思う。たとえ外野手が多いチーム事情を加味しても彼より辞めるべき選手は沢山いる。一度も一軍の試合に出ていない選手こそ価値はない、間違いなく来季平田よりも先に辞めるべき選手が名を並べると思う。それに戦術面で彼より使える右の代打がいると思えない。何か別の切りたい理由があったのだろうか、真実はファンには分からない。

ドラゴンズで17年以上過ごした選手は僅か。平田を含め16人。平田が17年で放ったホームラン数は105本。チームの100本塁打達成者も僅か。直近で外国人、移籍組を含めてもビシエド、和田、ブランコ、森野、谷繁、ウッズ、福留、ゴメス、立浪、山﨑と凄いメンツしか出てこない。評価が見えづらい守備や走塁面。打撃以外にも魅力のあった選手と考えると、時代が違えば評価は上がっても下がることはなかったと思う。

今後どれだけ若手が出ようがホームラン0本は話にならない、優勝を目指す球団である限りだ。1と0では大きな差がある。岡林が外野を続けるなら平田、二塁コンバートなら荒木、土田なら京田とそれぞれ最低限の数値目標は存在する。彼等と同等の数字を残せるか?優勝を願うファンとして期待値を下げるわけにはいかない。

うーん、今からでも和田コーチが俺が最後面倒見るって言ってくれればいいのに。短期的な評価はさておき、平田選手を嫌いなファンなんていなかったと私は思うけどなぁ。